フリーランスになって20年ほど経った
2026/03/14, 2026/03/14 - ~
気づいたら20年ほど経っていた。
フリーランスのエンジニアとして独立したのが2003年。勤めていた会社がバブル期に採用した余剰人員の削減に取り組み、希望退職を募集していたので、応募した。1年ほど何もしていなかったが、お金も尽きてきたので、ソフト開発の仕事を探した。そこがフリーランスとしての始まりだった。
以後、20年ほどフリーランスとしてやってきたが、一旦取引先での開発も一段落してきたので、少し振り返ってみたいと思う。
独立する以前
大学を卒業した後就職し、ISDN 機器の開発や、IC カードリーダの開発に携わった。 プロトコルアナライザを使ったり、ファームウエア開発を担当した。 ソフト開発と言っても、仕様提案、規格の適合性試験が多かったように思う。 自分は実装にたずさわりたかったのだが、実装は外注されていた。
会社を辞めて独立したころ
実装に携わりたかった、昇進した直後だったが自分があまり組織に貢献できそうにない、まとまったお金が欲しかった、など様々な要因があった。
そんな時、希望退職が募集されたので、もう、いいか、と思って辞めた。
何かやる気もなく、1年ぐらい働いていなかったが、さすがにお金も尽きてきた。そこで、ネットで、ソフト開発の仕事を探すことにした。当時から個人と契約して開発会社に紹介している会社があった。今でいう、SES と同様のサービスを提供していた。
案件がいくつか紹介された。ネットワーク機器開発の人員を募集されていた S 社と面談し、自分のスキルとマッチしたので、採用に至った。知識、スキルとマッチしていたと思っていたが、今考えてみると、ずいぶん勉強させてもらったものだ。
ただ、お客さんのほうも、通信のエラー訂正方式などで課題を持っており、規格を解釈してプロトタイプを実装したりした。自分の強みとしては、コーディング能力というよりは、規格解釈力であったり、その規格を数学的な知識(といっても大学の演習でやる数値計算の知識だと思うが)を利用して実装したりする点にあったと思う。
この頃の出会いがなければ、今の自分はなかったように思う。
ベンチャー企業に参画
その後、いくつかの案件を経験しつつ、平行して、大学の同級生に紹介されて、セキュリティ関連のベンチャー企業に参画することになった。スタートアップの初期段階で、当初は1開発者だったが、本格的に会社に所属してプロジェクト管理を担当することになった。いちおうは試作品は完成したものの、商品として展開することができず、結局、この企業は5、6年ほどで閉じることになったと思う。起業して成功した事例が華々しく取り上げられるが、失敗した時の時間的、精神的ダメージは相当に大きい。実際には、うまくいかないことも相当に多いことだろう。やらなければ良かったな、という気持ちはある反面、この時、python や WEB セキュリティを習得、また、会社組織の運営も体験できたので、役には立っている。学びはあったかなと思う。
会社設立
先のベンチャー企業を閉じるということで、その時の案件やお客さんを引き継ごうと思い、今の会社を作った。といっても、1人社長の会社だ。
しかし、既存のお客さんからの売上は微々たるもので、システム運用も難しく、また、まともに WEB システム開発もできず、最初は全く思ったようにいかなかった。全く不満足な内容なのに、その時のお客さんはお金を支払ってくれた。本当に申し訳なかった。
その後、S 社でお世話になった方に、今取引している C 社を紹介していただいた。Python の案件だったようで、私が Python 推しだったことを覚えてくださっていた。
C 社が間には入る形だが、実際には、SES と同じで、私が S 社と直接やりとりする形だった。 これが、また、かなり、キツかった。取り組んだ規格は参画したメンバー始めてのものだった。 しかも、規格の解釈が難しく、実装もかなり大変だった。結局、1年半ほどかかって、何とか形にすることができた。今思い返しても、規格は解釈しないといけないわ、お客さんに説明しないとけないわ、実装はしないといけないわで、本当に、もう、行かないでおこうかな、と思ったことも一度あった。しかし、さすがに、途中で投げ出すわけにもいかず、なんとか、最後までやり遂げた。
引き続き、C 社さんには案件を紹介していただいた。
WEB システム開発で、要件定義から参画させていただいて、クラウド系でのシステム構成の提案、実装、テスト、運用まで経験させていただいた。 これがほぼ、10年前で、クラウドと言われはじめた頃から対応してきたことになる。チャンスを与えていただいたことに感謝だ。また、10年ほど稼動できたので、手探りの中でも、成果は出せてきたかと思う。
他にも、組み込み系の案件なども含めて、続けて案件を紹介していただき非常に感謝している。
この会社の他にも、大学の同級生のいる会社からソフト開発案件を何件か紹介してもらった。 ただ、自分としては、満足にリリースされたのは1割ぐらいではないかという感触で、そんな中でも発注してくださったことに感謝もあり、申し訳ない思いもある。
ただ、あまり出来が良くないものが多いからなのか、お客さんの事業環境が変わっているからなのか、自分も年を取ったからなのか、売上は減少傾向になってしまった。
一番大変だったこと:収入の波
20年ほどやってきたが、案件が安定的に取れないというのが、一番大変だ。
フリーランスあるあるだが、案件が重なる時期と、ぱたっと途切れる時期がある。途切れると焦る。当然ながら収入がゼロになる。社員なら給料は毎月出るのに、フリーランスはそうはいかない。
振り返ってみると、やはり、案件を持っている会社についている時は、非常に安定的だ。
そうでないと、自分の生活資金があやしくなってくる。
一人で引退の時期までやっていくのであれば、エージェント利用しかないのかもしれない、と思いはじめている。
20年間で変わったこと
技術は本当に変わった。
独立した当時は Java や C だった。しかし、WEB のアーキテクチャは、フロント/バックのような構成になり、スマホが普及してiOS/Androidが来て、AWSなどクラウドが当たり前になって、ここ数年はAIが急速に広まっている。
言語やツールがどんどん変わるので、勉強し続けないと食っていけない。でも、それが楽しいと思えるかどうかが、フリーランスを長く続けられるかどうかの分かれ目な気がする。
案件の獲得手段も変わった。従来はエージェント経由が主流だったが、今は CrowdWorks や coconala、発注なびなど、獲得手段が多様化した。案件の規模によって使い分けるのが現実的だと思う。
変わらなかったこと
規格の解釈、仕様提案などは、昔から変わっていないように思う。
また、実装、テストなどについても、今後は不要になってくる部分もあるとは思うが、まだまだ、変わっていない部分もある。
TCP/IP を始めとする通信プロトコルや、OSI 7 階層など、通信にかかわる部分の考え方は、根本的には変わっていないように思う。
自分は、新卒の頃、規格を読みつつ、プロトコルアナライザーを見て、こういう動きになってるのか(そのために、こういう状態遷移になっているのか)、と理解した経験が、今につながっていると思う。
これからフリーランスを目指す人へ
20年やってきて思うが、自分でサービスを立ち上げたい、などという思いが無いのであれば、 率直なところ、フリーランスは、あまりおすすめできないな、と思う。
ただ、今も昔も仲介してくれる業者がいるので、そういった業者に仲介してもらうことで、 案件を獲得することはできると思う。
フリーランスの良いところは、色々なお客さんに接して、自分の持っている知識を、もしかしたらお客さんが持っていないかもしれないところに提供できたり、または、その逆かもしれないが、そういった多様な経験を得られる点だと思う。 花粉を運ぶ蜂さんみたいなものだろうか。
ただ、うまくやっていくには、個別の言語やフレームワークに詳しい、というよりは、もっと、抽象的な理解が必要なのかもしれない。収入の不安定さも、少し、我慢しなければならないかもしれない。
自分は50代後半になってしまったが、もう一度、エージェント経由でやりなおしてみようかと考えている。C 言語などであれば、50代以降がかなり多いデータも見せてもらえた。
30代ぐらいまでならば、エージェント経由で案件を取るのは難しくないと思う。
エージェント経由の良いところは、複数の会社とマッチングしてもらえる点だ。特定の1社とだけ付き合っていくよりも、リスクが分散できる。
長々とお読みいただきありがとうございます。この体験談が役に立った、フリーランスとしてやっていきたいと思われたかたは、友達の体で、以下のリンクから登録してもらえるとありがたいです。
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